自然損耗以外の修繕費は借主へ全額請求できる?

今回のテーマは、修繕費

入居者が退去した際、原状回復をしますね。
自然損耗は貸主負担という事はかなり浸透してきました。
では、自然損耗でない部分は請求してももちろんOK、、、残念ながらそうなりません。

自然損耗以外の部分でも借主に請求できない場合があるのです。

本来、借主負担にもかかわらず、請求できないものについて説明しましょう。

「減価償却」という言葉はご存知でしょうか?
減価償却とは、物の価値が年数を経過する事によって減少していく事をいいます。

例えば壁紙です。
壁紙は耐用年数が6年となっています。
新品を貼ってから6年経過すると残存価格は1円になります。

残存価格が1円ですから、借主負担部分があったとしても、1円しか請求できません。

少し理不尽な感じがしますか?

考え方の基本は、価値のある物を壊した(低下させた)場合、その損害を補填する。というものです。
そのため、価値が1円の物は1円の保証。という事になります。

価値が1円の物を修繕するのに、10万円受領してしまうと、99,999円分グレードアップ工事をした事になります。

少し話は逸れますが、「退去時に壁紙を全部貼り替える」と契約書に記載したらどうなるでしょうか?
契約自由の原則があるので、このような契約をする事自体は問題はありません。

ただし、そういった約定のプロセスが正当なものかどうかは、注意が必要です。
例えば、通常の家賃相場に比べて格安な家賃設定にする代わりに、退去時に全室の壁紙を貼り替える。という取り決めなら、それほど問題はないと思われます。

しかし、通常の家賃で、退去時にシステムキッチンを交換する。としたらどうでしょう。
もっと言えば、退去時に建物を建て替える。と決まっていたら、、、
お分かりになりますよね。
例え契約書に記載があっても、これは通らない。と判断されるでしょう。

合理的な取り決めなのかどうか?が判断されるという事です。
そのため、契約書に書いておけば、何でも請求できる。とは考えないほうが良いでしょう。